長崎屋のブログ

ケータイゲーム、小説の感想、日常での気づきをまとめた雑記です。

これは経費で落ちません!〜経理部の森若さん 祝ドラマ化

現在再放送中!

「これは経費で落ちません!」総合での再放送中だよ。楽しみ。

2020年1月2日(木)<1日(水)深夜>
午前0時25~1時13分30(1)
午前1時14~2時2分30(2)
午前2時3~2時51分30(3)
午前2時52~3時40分30(4)

2020年1月3日(金)<2日(木)深夜>
午前1時30分~2時18分30(5)
午前2時19分~3時7分30(6)
午前3時8分~3時56分30(7)

2020年1月4日(土)<3日(金)深夜>
午前1時10分~1時58分30(8)
午前1時59分~2時47分30(9)
午前2時48分~3時36分30(10)

 

祝ドラマ化!

聞いて聞いて。なんとNHKで今年の7月26日(金)10時からドラマ化されるよ。

私は青木さんの作品は、コバルト文庫で、『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』の頃から読んでいたから、ドラマ化は感慨深い物があるよ。

さいころから知っていた親戚の子が、地上波デビューした感じ。

 

ところで原作を小説読んでるとキャストが気になるよね。

特に主役の森若さんは、セリフとセリフの間に考え込んでいる「間」がたくさんあるから。映像で魅せるような、華やかなセリフも場面も、少なめだし。普通の会社員の日常で起こることしか起こらないから。

森若さんを演じるのは多部未華子さん。…いける。癖の強い若森さんの、ドラマで表現するには難しいだろう会話の間を、多部ちゃんなら表現できるはず。今から楽しみ。

もう本屋でドラマ化の帯がついて、平積みされてるよ。嬉しい限り。

 

ドラマの公式ページはこちら。

www.nhk.or.jp



キャストが作中のキャラクターや撮影を振り返ってくれる座談会もあるよ
目次
 

 

以下多少ネタバレあり。純粋に先の読めない展開を楽しみたいなら原作を是非読んでね。

 

 



1.あらすじと感想

タイトルを一見すると、経理の森若さんがどんどん社内の経費にかかわる問題ごとを解決する話のようだけど、そうじゃないんだよ。

どちらかと言えば、森若さんはトラブルに巻き込まれたくないと思ってる。定時になったら仕事のことはすっぱり忘れて、プライベートを充実させたいタイプ。

一話目を読んで私は森若さんのファンになったよ。

 

森若さんは職場の人間関係に深入りしないように心掛けている。でも職務として、社内の経費の私的流用は見逃さない。結果として、各部署で裏付け確認を取っていると、いろいろ裏事情が見えてきて、うっかりトラブルに巻き込まれて、解決に手を貸さざるを得なくなる感じ。

 

1巻の1話目は、たこ焼き4800円と、テーマパークのチケット代が経費かどうかを巻き込まれつつ調べる話。山田太陽君メインで登場。

 

2話目は研究所の160円多い売り上げの話。仕事って、なんでこんな1ヶ月先では誰も覚えてないだろうことを必死につじつま合わせてるのかな…ってことがたくさんあるよね…。

この時の森若さんの名言は「自分がやったことがバカバカしいことだと気づけ」だよ。森若さんが口にはせず、内心思っているだけだけどね。うーん私も仕事で、あとはこちらでまとめるから「ウン」と言えと思ってたなー。

この話に出てくるお弁当屋さんの、野菜たっぷりの優しく湿った味の八宝菜を、私も食べたいな。

 

そういえば「これは経費で落ちません」は飯テロ注意だよ。読んでいると、作中に出てくる料理を食べたくなるよ。回らないお寿司屋さんとかね、行きたくなる。森若さんが食材を無駄にしたくない、一人暮らしでお弁当を作って自炊しているタイプだから、外食は自炊できないものを選ぼうとしてて、味わって食べてる時の描写がおいしそう。

 

ね?社内で、「これは経費で落ちませんから!」って啖呵切ってる感じじゃないでしょ?どちらかと言えば森若さんは淡々としてるよ。

むしろこのセリフをいうのを内心グッと我慢しているのが、森若さんだよ。

口癖は「そうですか」「問題ありません」だもん。経理に持ち込まれる領収書でつじつまが合わないものを、額が微細でも気にしていく話。

働く女性の日常っぽくて、ホッとするよ。そうそうこれこれ。女性が職場で働くってこんな感じ、が書かれてる。

 

原作の小説は、短編が四話とエピローグがあって、エピローグは、森若さんを後輩の真夕ちゃんがこういう人だと語ってくれるんだけど、若森さんが内心ワタワタしながら解決したトラブルも他からみたら、冷静に対応しるように書かれてて、ギャップが楽しいよ。各短編のその後もエピローグで拾ってくれるしね。

 

 

2.作品の特徴

 

ヴィクトリアン・ローズ・テーラーの頃からかわらず、人と人との距離感をリアルに描いてあるよ。

小説や漫画でも出てくるキャラクターはさ、主人公と親友ライバル仲間敵と、くっきり分かれがちだけど、青木さんの書くキャラクターはそうではなくリアルだね。世の中、特に職場人間関係なんて、特に仲良くも悪くもない人が大半で、その案件でだけ距離が近くなったり、対立したり協力したり、だからさ。

もちろんこの物語もありふれた職場が描かれている。

どこにでもある会社の経理に勤める女性の話だから共感できる。

たまに共有スペースに置いといた化粧品が、割れたりするけどね。

 

 

3.独断と偏見の登場人物紹介

以下多大にネタバレがかなりあるから、嫌な人は原作へGO!

 

 

森若沙名子(ドラマキャスト:多部未華子

経理部。入社6年の27歳。

私がほれ込んだのは、1巻1話「これは経費で落ちません」の森若さんの私生活だよ。

 週末に帰ったら、一分も無駄にせず、夕飯を作り、食事をとり、入浴し、肌のケアをし、マニュキアを塗りながら、趣味のビデオを見る。

一話からちょっと抜粋するね。

 

『週末の楽しみはレンタル映画と、天天コーポレーションの入浴剤、パラダイスバス。

これから土曜日の夕方、帰りがけに買うお寿司』

『すべての準備を終えて、風呂を沸かす。今日の入浴剤は「さくらゆ」。天天コーポレーションの入浴剤シリーズ、パラダイスバスの新作である。

パジャマに着替えてNHKのニュースを見ながらゆっくりとお寿司を食べて、片づけてお風呂に入る。

入っている間に顔のシートパックをして、出たら髪をていねいに乾かし、レンタルしてきた『アントマン』を再生する』

『すべてはあるべき場所に片づけてある。テーブルのまわりには埃ひとつない』

『沙名子はやるべきことを終えて、お気に入りのクッションをかかえ込み、リモコンの再生ボタンを押す。

 わたしの生活は完璧である、と沙名子は思う。これ以上ないくらい。

 ひっかかりはなにもない。足りないものも過剰なものもない。きっちりと働いて責任を果たし、働いた分の給与を適正にもらい、自分のために使う。

 会社にも、他人にも。与えた以上のものは求めず、求められた以上のものは与えない』

 

読んだ時、たしかに完璧だと思ったね。一人暮らしの女性として完璧。

 

森若さんの魅力は、この週末の夜の描写に凝縮している。

1巻の1話目の最初にこの文章が置いてあって、若森さんに一目ぼれだったね。

他にも森若さんは被服費も年間で考えているし、繁忙期ほど食生活を正しくしなくては体がもたないと考え実行する。平日は外食NG。たとえデートでも。

…私もこういう一人暮らしがしたかったな。

実際は仕事で疲れて、割引されたお弁当をスーパーで買って、ぼんやり食べて、寝る生活だったな…。

今はどこの電子書店も試し読みが充実しているから、この部分も含めて読むことができるよ。気になったら、ぜひ一読を。

 

山田太陽(ドラマキャスト:重岡大毅ジャニーズWEST

営業部。27歳。

若森さんに好意を持ってる営業の新エース(になりかけ)。

太陽君は学生時代はクラスのムードメーカーしてたんだろうなってタイプ。善良。勘がいいから、勘で乗り切るタイプ。

時々太陽君視点の話があって、若森さんがミステリアスに書かれているから新鮮だよ。

 

佐々木真夕(ドラマキャスト:伊藤沙莉

若森さんを尊敬している後輩。経理部25歳。以前は広報課。ケアレスミスはあれどごまかさない。

 

田倉勇太郎(ドラマキャスト:平山浩行

通称。勇さん。経理部先輩。入社15年。大きな体。神経質な一面も。

製造部など、天天コーポレーション本社の財務管理のほとんどを黙々とこなす。寡黙キャラでいくかと思いきや3、4巻あたりになるとプライベートでいろいろありすぎだよ。大丈夫?

 

新発田(しばた)英輝部長(ドラマキャスト:矢越満)

実務に弱い。最初仕事していないのか?と思ったぐらい。でも部署間の調整はお手の物(っぽい)。役職者の仕事は他自部署間の仕事の割り振りと、トラブル処理の方法を上とかけあうことだよね。

 

山崎柊一

30代前半の独身男。小柄で細身で、長めの髪を茶色に染めていて、いつもニコニコしている。いわゆるさわやかイケメン。

私の中のイメージは、たとえ会話だけでも気を抜いてはいけない、江戸時代の大店のタヌキの若旦那。ニコニコしながらつまらないものですがと言いながら、悪代官にお菓子の箱に小判詰めて渡す感じ。獅子身中の虫。足下を見ていなかったら出し抜かれる感じ。いや違った、人物紹介としては営業の元エースです。

 

椙田(すぎた)

森若さんの週末の楽しみの寿司を握る若い職人さん。声がいい。小さなイートインもある回らないお寿司屋さん。

作者のツイッターで寿司屋とくっつけの声があったといつかツイートされたんだけど、うーん私も大穴で寿司屋とうまくいくかもと思ってたよ。他の人もそう思ったのか…。

 

皆瀬織子(片瀬那奈

広報課一筋15年。金色のネックレスとパリッとした(経費で落とした)白いブランドシャツを着ている30代後半。仕事ができて、落とし所を見逃しちゃいけないのよと颯爽とゴタゴタを解決する手腕は見事。年下の旦那さんがいる既婚者です。仕事ができるぶん、なぜプライベートでその選択をしたのか不明です。ホントに。謎。

 

営業部

私この人たちとは仕事したくないを二人紹介。

鎌本義和

17:32とかギリギリに仕事を、わざと持ってくる。ハラハラさせるのが好き。

太陽が入ってくるまでエースと呼ばれていた。

 

馬垣和雄(岡崎体育

仕事って普通の日と勝負かける日があって、勝負はうまくまとめるだけじゃなくて、一番最悪な事態にしないという勝負もあるでしょ?数日の普通の日の上に勝負の日があって、勝負の日をこなせるなら普通の日は、ちょっとサボってもいいけど、勝負の日に休みグセがあるってふざけてんのか貴様!と思ったね。

 

樹菜

4巻で太陽君にアタックかけてくる女の子。泣きながら大学時代の先輩にLINEとか、無視できない嫌なアタック方法だなと思ったけど、太陽君の最後の対応もどうなのか?なんかイエローカードにはイエローカードで対応した感じ。意図的にやってるならいいけど、天然での対応だから太陽君ちょっと…無意識切り捨てすごい。

 

有本マリナ

秘書。うーん一緒に仕事したくない。特殊枠がある。のをいいことに自由にしてる感じ。

 

横山窓花

総務部庶務課。小柄で童顔。32歳。勤務年数は12年。理屈よりも慣習を大事にするタイプ。雑務担当。営業の男性のコーヒーを入れ、コップを洗い、代わりに重い荷物を持ってもらったり、協力を仰ぐのが上手い。

仕事って長く勤めると思うんだけど、ちょっとしたことでも他部署に協力を仰げるの、才能が必要だなと思うよ。自分の仕事を自分の力だけで100%やり遂げても、会社って回らないだよね、どうしても担当がいない隙間の仕事があって、それを部署間で押しつけあってたら全体として効率悪いからさ。いや私は職場で他人にコーヒー入れないし、カップも洗わなかったけど。

でもみんなで行くランチに誘わないのはどうなの?

 

玉村志保

総務部。総務と人事担当。中肉中背。黒いパンツにシャツ。ベージュのカーディガン。ローヒールの紐靴。ほぼノーメイク。横山さんと仲が悪い。総務の女性が営業部の男性のためにコーヒーを入れるのが納得できない。

私の感想はこの人怖い。その後も普通に対応してる森若さんすごい、の一言です。

 

新島総務部長

コーヒーメーカーをポケットマネーで購入。

 

平松由香利

総務。勤務管理。やりやすいベテラン職員。新しいことには手を出さず、決まった仕事をもくもくとこなす。地味で真面目。ホラー映画好き。この方の悩みはアラフォーすぎて直視できない。

 

室田千晶

付箋とか自費で購入する方。受付。

 

曽根崎メリー(ドラマでは曽根崎ミレイ キャスト:藤原紀香

パラカフェのデザインを行う、建築士の資格を持っているインテリアデザイナー

キーワードはたこ焼き好き。息子さんがいる。

 

若森さんが事あるごとに思ってるんだけど、仕事してくれるならちょっと癖があってもいい。逆を言うなら仕事してくれ。はとても共感できる。

 

4.いろいろ無料試し読みご紹介

 ちょっと興味出たらコミックも出てるので、試し読みはどう?

一話が7割ほど読めるよ。コミックは2巻まで出てるよ。

 

 

レーベルであるオレンジ文庫のドラマやシリーズの紹介ページはこちら

orangebunko.shueisha.co.jp

 

同じオレンジ文庫の試し読みページはこちらから

 

orangebunko.shueisha.co.jp

 

作者ツイッターはこちら

最近は本屋になかなか行けないから、作者を追いかけるのも大変。レーベルがかわると新刊が出てもわからなかったりするよね。キンドルブックウォーカーでお気に入り登録してるけどさ、新刊情報は作者のTwitterが早い。コバルト文庫の他作家さんとのからみもあったり、ファンとしても読んでいて楽しいしね。

 

https://twitter.com/mawarimithino

 

 

え?ヴィクトリアンローズテーラーも気になる?

とりあえず一巻読んでみる?番外編を入れると全29巻になるけどさ。

ジレジレを楽しむ素敵な恋物語だよ。こちらは仕事に没頭系。恋愛よりもドレスを縫いたいお針子のお嬢さんです。

  現在無料公開中!1月9日まで

cobalt.shueisha.co.jp